特集

特集

北からの来訪者 ~シベリア地方からの3度の侵入~

北からの来訪者 北の脅威 北海道史といえば、とかく南からの来訪者、すなわち和人や松前藩との関わりが語られることが多い。とはいえ侵入者は南からだけ来たわけではない。北海道に住む民にとって、樺太経由での北からの来訪者は常に警戒の対象であった。現...
特集

アイヌ発祥に関する7つの質問

アイヌは日本の先住民族か 基本的には Yes である。しかしそう単純な話ではない。 まず大前提として、13-19世紀にかけて北海道・南樺太・千島列島にはアイヌが住んでいた。日本語とは異なるアイヌ語を話し、独自の信仰や風習を伝えており、族長連...
特集

松浦武四郎の探検と小樽訪問

探検家・松浦武四郎 松浦武四郎は江戸時代後期の探検家である。 武四郎は自分の足で北海道の隅々まで探検した。彼の使命は、それまで暗黒に包まれ、未知の島であった蝦夷地に光を当てることであった。地名を調べ、川筋の細かな支流まで尋ね、それを全て記録...
特集

位置名詞を理解する 【アイヌ語地名研究】

位置名詞とは 例題:岬をあらわす地名 次の3つはいずれも岬などをあらわす地名である。さて仲間はずれはどれだろう? sir-paシㇼパ〈山の頭〉 sir-etuシレトゥ〈山の鼻〉 sir-etokoシレトコ〈山の先端〉 「シリパ」「シレト」「...
特集

塩谷峠 ~7代の道路変遷~

塩谷峠 塩谷峠:小樽と余市の中間あたりにある小峠 塩谷峠しおやとうげ、といってもあまりこの名前で呼ばれることはないので馴染はないかもしれない。小樽市西部の塩谷しおやと桃内ももないの間にある海岸沿いの峠で、現在は塩谷トンネルが峠を貫いている。...
特集

寛保オタルナイ蜂起とアイヌの至宝 ~知られざる西蝦夷最後の戦い~

アイヌ蜂起の歴史 アイヌの諸豪勇時代 アイヌ史というとどんなイメージがあるだろうか。 ひどく虐げられ、差別されてきた日々…。確かにそれも歴史の1ページではあるが、もちろん初めからそうだったわけではない。江戸時代中期以降、アイヌは和人の場所請...
特集

西蝦夷和歌集12撰

松浦武四郎と和歌 松浦武四郎 松浦武四郎といえば”北海道命名の父”とも言われ、幕末の蝦夷地をくまなく巡り、その詳細を日誌に残し、記録した地図に落とし込んだ偉大な探検家である。 その松浦武四郎が和歌をたいへん好んでいたことはそれほど知られてい...
特集

積丹半島東海岸/余市・古平・積丹の秘境15選

積丹半島東側の秘境 積丹半島の海岸は、様々な奇岩や崖が点在し、非常に美しく魅力的な場所だと思う。シャコタンブルーと呼ばれる青い海がそれを一層引き立ててくれる。この美しい海岸は「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に指定されており、北海道で唯一の海岸...
特集

クシのつく地名 ~釧路・奥尻・幾春別~

アイヌ語地名文法の練習 クシのつく地名 アイヌ語地名には、kusクㇱ のつく地名が時々でてくる。最も有名なのは「釧路くしろ」で、他にも有名な所は「奥尻おくしり島」や三笠の「幾春別いくしゅんべつ川」など。 小樽市内でも忍路の「尻櫛しりくし」や...
特集

アイヌ語地名文法に関する覚書き

文法のはなし 避けたい文法 「文法」と聞いてワクワクする人はあまりいないだろう。できれば避けて通りたいと思うのが人の常である。 かく言う自分も高校時代、英語のテストで赤点を取ったし、古文に至ってはほとんどゼロ点に近かった(現代文の物語読解は...
特集

アイヌ語地名解の年代区分

アイヌ語地名解の年代区分 北海道のアイヌ語地名を日本語の意味に訳そうとする試みは、江戸時代から今にかけて繰り返し行われてきた。その上で重要となるのはどの年代のものかということである。古ければ古いほど、当時のアイヌの生の声を反映したものである...
特集

星野丸山 ~消えた小樽最東端の低山~

消えた山 「星野丸山」と聞いても、あまりピンとくる人は多くないかもしれない。少なくとも数年前までは誰も知らない山だった。登山家どころか地元の人ですら聞いたことがない。それもそのはず、山が消えてしまったのだ。決して比喩表現ではなく、物理的に消...
特集

小樽のチャシコツ9選~アイヌの砦~

チャシコツとは? アイヌとチャシコツ アイヌというのは実に不思議な民で、文字を持たないだけでなく、遺跡の類もほとんど残していない。北海道にも遺跡が多数存在するが、ストーンサークルや壁画(古代文字)、土偶といった印象的な遺跡はいずれも彼らより...
特集

東西蝦夷山川地理取調図の間違いリスト

幕末の蝦夷地を6度にわたって探検し、現地のアイヌから地名を聞き取り、『西蝦夷日誌』をはじめとした数々の紀行文を書き、『東西蝦夷山川地理取調図』を完成させた松浦武四郎。北海道の歴史研究において、彼の残した功績の大きさは、改めて論じるのも憚られ...