地名の由来

白老町の地名の由来 + ウポポイは何を伝えているか

ウポポイは何を伝えているかウポポイの前印象民族共生象徴空間ウポポイ/白老町白老のウポポイに初めて訪れたのはコロナ禍が落ち着き始めた2024年の春だった(奇しくもその直後に初罹患してしまったが)。ウポポイとして開業してから4年ほど経っており、...
データベース

北海道の179市町村の地名の由来

市町村の由来を再検討北海道の市町村の由来は様々な説があるが、一つ一つについて改めて再検討し、まとめてみることにした。簡単なコメントをつけているが、もう少しだけ詳しい検証はこちらの記事で。定説を再検討した記事石狩振興局市町村アイヌ語意味由来札...
備忘録

小樽市の立地適正化計画について ~進むコンパクトシティ構想~

立地適正化計画とは先日(2025/02/07)、小樽市の立地適正化計画策定委員会の最終会議が行われ、市長に計画書が手渡された。予定では2025年7月には計画が発効するはずである。立地適正化計画策定委員会の委員の一人としてこの計画に関わった身...
特集

7枚の蝦夷図 ~北海道の地名研究に役立つ19世紀の地図~

7枚の蝦夷図未知の蝦夷ヶ島江戸時代中期の18世紀、”蝦夷ヶ島” はまだ未知の島だった。アイヌたちはこの広大な大地を縦横無尽に歩き回っていたが、文字も地図も書かない彼らは、細かい沢一つ一つにつけた地名によって場所を見分け、いくつもの山を越えコ...
地名の由来

弁慶岬と義経弁慶伝説・寿都西部の地名由来

マド岩現る一枚の絵葉書から探索のきっかけはこの一枚の絵葉書だった。寿都郡政泊村天然のマド岩寿都にある「マド岩」の写真。素晴らしいアーチを描く岩で、しかも天然に出来たという。後志の海岸には人口のトンネル跡は残っているが、天然の奇岩の多くはもう...
地名の由来

釧路町の難読地名解 ~漢字が語る元の音~

釧路町海岸の難読地名もうひとつの釧路「釧路町」を知っているだろうか。「釧路市」では?と思うかもしれないが間違いではない。釧路には「市」と「町」があり、違う市町村なのである。平成の大合併でも2つの釧路は合併することもなく、独立した市町村として...
備忘録

母音の転訛【アイヌ語地名研究】

アイヌ語の母音アイヌ語も日本語をはじめとした多くの言語と同様に、母音は「アイウエオ」の5つである。ところが日本語と全く同じ発音というわけではない。ある時はウ音のはずがオ音に聞こえたり、イ音に聞こえたりする。古アイヌ語の母音は7つだったのでは...
特集

北からの来訪者 ~シベリア地方からの3度の侵入~

北からの来訪者北の脅威北海道史といえば、とかく南からの来訪者、すなわち和人や松前藩との関わりが語られることが多い。とはいえ侵入者は南からだけ来たわけではない。北海道に住む民にとって、樺太経由での北からの来訪者は常に警戒の対象であった。現在も...
データベース

銭函の地名と旧字名

銭函村後志国 小樽郡 朝里村 大字銭函村小樽・石狩・札幌の中間に位置する銭函銭函ぜにばこは小樽市の東端、札幌と石狩との境界に位置する町である。小樽中心部からは峠一つ越える必要があり、経済圏としては札幌に含まれることもある。銭函駅は幌内鉄道開...
データベース

北海道のアイヌ語地名の意味と由来

定説を考え直す北海道にはアイヌ語由来の地名がたくさんあるが、実のところその半数ほどは意味がまだよくわかっていない。定説とされているものの中にもかなり怪しいものがあり、旧記類の表記や文法と照らし合わせて再考しなければならないものがたくさんある...
特集

アイヌ発祥に関する7つの質問

アイヌは日本の先住民族か基本的には Yes である。しかしそう単純な話ではない。まず大前提として、13-19世紀にかけて北海道・南樺太・千島列島にはアイヌが住んでいた。日本語とは異なるアイヌ語を話し、独自の信仰や風習を伝えており、族長連合と...
特集

松浦武四郎の探検と小樽訪問

探検家・松浦武四郎松浦武四郎は江戸時代後期の探検家である。武四郎は自分の足で北海道の隅々まで探検した。彼の使命は、それまで暗黒に包まれ、未知の島であった蝦夷地に光を当てることであった。地名を調べ、川筋の細かな支流まで尋ね、それを全て記録して...
備忘録

映画『シサム』レビュー ~主人公は何を成し遂げたのか~

※この記事には映画『シサム』のネタバレが多く含まれています時代考証の素晴らしい映画映画『シサム』公式ホームページ2024/9/13封切りの映画『シサム』を見てきた。何の前情報も見ておらず、特に期待もせずになんとなく見に行ったのだが、結果的に...
アイヌ語地名

道北の地名・宗谷から音威子府まで

道北旅行機会があり、初めて道北地方まで旅行をしてきた。オロロンラインをひたすら北上し、宗谷岬を見て、豊富温泉に宿泊。帰りは音威子府や美深あたりまで降りてきて、幌加内から雨竜、浦臼に抜けるルート。名寄と留萌より上には行ったことがなかったので、...
地名の由来

十勝と勝納の由来を考える

カッチ地名勝納の再検討小樽港と勝納埠頭公園小樽の勝納の由来について以前記事にしたことがある。勝納は旧記では「カツナイ」ないし「カッチナイ」と見え、後者の方が古くから見られる。また「カチンナイ」の表記も伊能図などに見える。『伊能大図』に見える...
地名の由来

下ヨイチ場所とヌッチ・梅川の由来

二つのヨイチ二つの余市を繋げる大川橋大川橋とモイレ山北海道歴検図 後志州(下之下)  / 目賀田帯刀余市のシンボルのひとつに大川橋がある。余市川の河口にある白い橋で、かつて余市の渡船場があったところにかかっている。新市街と旧市街余市という町...
地名の由来

祝津・支笏・鹿部の由来 ~sik地名を考える~

sik地名水に満ちたsiksikシㇰ という単語がある。これは「水でいっぱいに満ちた」といった意味合いで、一般アイヌ語ではよく使われるが、地名の中で使われているのはあまり見たことがない。しかしよく知られた地名のいくつかにはこの sik が使...
特集

位置名詞を理解する 【アイヌ語地名研究】

位置名詞とは例題:岬をあらわす地名次の3つはいずれも岬などをあらわす地名である。さて仲間はずれはどれだろう?sir-paシㇼパ〈山の頭〉sir-etuシレトゥ〈山の鼻〉sir-etokoシレトコ〈山の先端〉「シリパ」「シレト」「シレトコ」と...
地名の由来

留萌(ルルモッペ)の由来 ~海岬の川~

留萌の概要留萌の位置と交通留萌の位置留萌るもいは北海道北部の西海岸・通称「オロロンライン」の中ほどに位置しており、石狩と稚内の間にある街のなかでは最大の街となっている。留萌の町並/千望台よりJR留萌本線が2023年に廃止されたばかりだが、2...
地名の由来

ヤリキレナイ川の由来 ~川にヤツラがやって来る~

やりきれない川ヤリキレナイ川北海道には様々な面白地名・謎地名があるが、最近では「ヤリキレナイ川」が有名である。そのなんとも言えない、哀愁漂う感じが現代人の心に響くのだろう。雨が降るたびに川が何度も氾濫するから、住民はもうヤリキレナイ……。そ...
地名の由来

積丹町美国海岸の地名と景勝

積丹町美国美国の思い出積丹の 美国びくにはその名を冠す通り、とても美しい所である。積丹の神威岬に初めて車で向かっている途中、ふと地図を見ると「宝島」「黄金岬」「美国」という面白い地名が目に入った。名前だけでもなんともゴージャスなところである...
特集

塩谷峠 ~7代の道路変遷~

塩谷峠塩谷峠:小樽と余市の中間あたりにある小峠塩谷峠しおやとうげ、といってもあまりこの名前で呼ばれることはないので馴染はないかもしれない。小樽市西部の塩谷しおやと桃内ももないの間にある海岸沿いの峠で、現在は塩谷トンネルが峠を貫いている。車で...
データベース

1808年頃の地図に見える札幌の地名〈秦蝦夷島図〉

秦蝦夷島図の写図/北大所蔵開拓前夜蝦夷から北海道へ北海道はいつから日本の領土になったのだろうか。旧開拓使本庁舎明確にそうなったと言えるのは明治2(1869)年。蝦夷地から「北海道」と改められ、開拓使が置かれた。そして臨時政府である蝦夷共和国...
地名の由来

濃昼(ゴキビル)の由来 ~ポキンピリは誤字か~

濃昼雑感難読地名濃昼濃昼は北海道の難読地名としてよく取り上げられる常連で、その頻度はベスト10にも入るのではないだろうか。しかも他とは違い、単に読めないだけでなく音が面白いというのがその理由である。濃昼はノウビルではなくゴキビルと読む。初め...
地名の由来

倶知安・ニセコ・岩見沢の由来 ~大地に刻まれた地形~

ニセコニセコ町と倶知安町ニセコニセコ駅ニセコの人気が止まらない。ニセコの中心である”ひらふ坂”における地価は、10年間に14倍も跳ね上がったそうで、地価上昇率日本一であったようだ。ひらふ坂/倶知安町ニセコひらふ少し紛らわしいところだが、一番...
特集

寛保オタルナイ蜂起とアイヌの至宝 ~知られざる西蝦夷最後の戦い~

アイヌ蜂起の歴史アイヌの諸豪勇時代アイヌ史というとどんなイメージがあるだろうか。ひどく虐げられ、差別されてきた日々…。確かにそれも歴史の1ページではあるが、もちろん初めからそうだったわけではない。江戸時代中期以降、アイヌは和人の場所請負制度...
備忘録

小樽運河特集

昔の海岸線と色内大通今年で小樽運河100周年ということで、運河とそのまわりに関するネタを少しとりあげてみたい。運河の作り方は大きく2つに分けることができる。もともと陸地だったところを掘り進んで水路を作るケースと、そうでないケースがある。小樽...
備忘録

備忘録 #04 忍路山道・塩谷・オタモイ

忍路山道のルート幕末の西蝦夷地には道路というものがなく、漁師が時々使う短い踏み分け道のほかは、降雪期にアイヌ達が山越えするルートがいくつかあるだけであった。安政年間、北方でロシアの船がたびたび現れるようになると、北方警備と蝦夷地の開拓の必要...
地名の由来

雄冬岬 ~その位置と由来~

増毛の雄冬岬小樽に伝わる増毛の伝承古くからの小樽人が語る民間伝承に「増毛ましけが霞むなら明日は晴れ、増毛がはっきり見えるなら明日は雨」というものがある。小樽天狗山からみた増毛連山/写真提供・茅原みのる様天気予報としての精度はそこまで正確なも...
特集

西蝦夷和歌集12撰

松浦武四郎と和歌松浦武四郎松浦武四郎といえば”北海道命名の父”とも言われ、幕末の蝦夷地をくまなく巡り、その詳細を日誌に残し、記録した地図に落とし込んだ偉大な探検家である。その松浦武四郎が和歌をたいへん好んでいたことはそれほど知られていないか...
備忘録

備忘録#03 石狩川流域の江戸時代の歴史特集

樺戸とイシカリの大酋長アイヌ文化後期の諸豪勇時代、多くのコタンを束ねる大酋長が各地に現れ、影響力を振るっていた。アイヌ時代のなかで最も華々しい時代と言えるかもしれない。本州で言うところの江戸時代初期にあたる。諸豪勇時代のアイヌ勢力図西蝦夷に...
備忘録

#備忘録02 小樽稲荷・桜の赤ハゲ・星野の廃寺・三社神社の剣

小樽稲荷のはじまり励ましの坂手宮公園の脇にある「励ましの坂」は斜度22%というかなりの傾斜を持っている。地獄坂で斜度10%なので、いかに急かがわかる。昔は高島に行くときにこの坂を励ましながら上ったので、いつしか励ましの坂と呼ばれるようになっ...
備忘録

備忘録#01 忍路・聚富・知津狩・余市モイレ

忍路場所の謎忍路漁港江差追分に「忍路高島およびもないが、せめて歌棄磯谷まで」と唄われた忍路おしょろ。江戸時代は「ヲショロ場所」、「タカシマ場所」、「ヲタルナイ場所」の3つの知行地が設定され、忍路はニシンの良港として繁栄していた。忍路はさぞか...
データベース

小樽中心部の山の名前

勝納川周辺の山山の名前というのは誰がつけたのだろう。目立たず、名も無い無名峰のように思えても、実は名前がついていたりする。南小樽駅のそばを勝納川が流れており、小樽中心部で最大の川となっている。この勝納川の周辺の山で地理院地図に名前が載ってい...
地名の由来

岩内の由来と歴史 ~硫黄の川はどこにあるのか~

後志の港町・岩内岩内いわないは北海道後志のほぼ中心部に位置する街である。道の駅いわない後志管内では小樽・余市・倶知安に続き第四の都市となっている。小樽に次ぐ大きな港を持っており、かつてはフェリーが就航していたこともあった。今も港町のイメージ...
地名の由来

雷電海岸の地名と由来 ~ライデン地名考~

岩内町雷電雷電の栄枯盛衰雷電温泉郷「雷電」とは北海道岩内町にある地名である。正式な住所の地名としては既に使われなくなっており、「岩内町敷島内」に含まれる。敷島内の西側、概ね敷島内漁港や鳴神トンネルの西側地区が「雷電」と呼ばれる。海岸に面した...
地名の由来

寿都の由来 ~スッツ地名考~

寿都町ことぶきのみやこ後志に寿都という街がある。「ことぶきのみやこ」とは雅な漢字を当てたものだ。読みは「すっつ」。初見では絶対に読めないし、一度聞いたくらいではなかなか覚えられない、いわゆる難読地名のひとつとなっている。しかし同じ後志管内に...
地名の由来

月寒の由来 ~ツキサップ地名考~

月寒月寒つきさむは札幌東南部の豊平区にある地名である。月寒地区とその周辺月寒川と望月寒川という2つの川が流れており、その間に位置するのが月寒地区である。国道36号線(室蘭街道)沿いに栄えている街であり、札幌市に編入される以前は「月寒村」とし...
地名の由来

室蘭の由来 ~モロラン?モルエラニ?~

室蘭美しい室蘭の自然室蘭に初めて訪れたのは去年の夏のことである。蓬莱門/ムカリショ「蓬莱門」というのが一度見てみたくて、干潮に間に合うように朝4時に小樽を出発して、登別でひと風呂浴びた後に、朝8時半に蓬莱門のある浜についた。それは言葉を絶す...
特集

積丹半島東海岸/余市・古平・積丹の秘境15選

積丹半島東側の秘境積丹半島の海岸は、様々な奇岩や崖が点在し、非常に美しく魅力的な場所だと思う。シャコタンブルーと呼ばれる青い海がそれを一層引き立ててくれる。この美しい海岸は「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に指定されており、北海道で唯一の海岸公...
アイヌ語地名

平磯岬(クマジシリバ)~トンネルの歴史と銀鱗荘~

平磯トンネル平磯トンネル札幌方面から小樽に向かうとき、二つのトンネルを通過する。ひとつが「張碓トンネル」で、もう一つが「平磯トンネル」。国道・高速道路・鉄道いずれにもトンネルがあり、この平磯岬がかつて「小樽区」と「朝里村」の境界ともなってい...
アイヌ語地名

濁川(コツウンナイ)~星置の平原を流れる川~

星置の平原を流れる川濁川の流域濁川手稲の星置駅のすぐそばを「濁川にごりがわ」という小川が流れている。それほど目立つ川ではないが、下手稲通や337号沿いに大きな河川標識の看板があるので、なんとなく目にしたことがある人も多いのではないだろうか。...
アイヌ語地名

シイキナウシノタ~明日風に残る蒲の湿原~

明日風に残る蒲の湿原小樽と札幌の境界あたりに「シイキナウシノタ」という地名がある。非常にマイナーな地名で、今日の地図はおろか、昔の日誌や記録類にも全然出てこない。いわゆる "地名本"の類でも全く触れられておらず、ネットで検索しても札幌地理サ...
アイヌ語地名

分部越(フンベヲマイ)~孤立無援の小休所~

分部越ぶんべごえは銭函5丁目の旧名。現在の石狩湾新港のあたりである。1/25000「石狩」昭和28年/今昔マップ on the web より昭和28年発行の地理院地図には名前が載っているが、その後消えた地名。樽川十線の先にあることから「十線...
備忘録

ランドマーク地名 ~アイヌ語地名の考え方~

指をさして示せる地名アイヌ語地名はランドマーク地名であることがほとんどである。ランドマーク地名とは、簡単に言うと、「指をさして見せることができる地名」。今風に表現すると、「GoogleMapのピンを立てることができる地名」とでも言えるだろう...
特集

クシのつく地名 ~釧路・奥尻・幾春別~

アイヌ語地名文法の練習クシのつく地名アイヌ語地名には、kusクㇱ のつく地名が時々でてくる。最も有名なのは「釧路くしろ」で、他にも有名な所は「奥尻おくしり島」や三笠の「幾春別いくしゅんべつ川」など。小樽市内でも忍路の「尻櫛しりくし」や「イク...
データベース

札幌市内のアイヌ語由来地名

札幌に残るアイヌ語地名札幌は都市化が進んだため、その地名のおよそ8割は和名由来になっている。だが古くからある地名にはアイヌ語由来のものも残っている。現在なお地図や現地で見られる、30ほどのアイヌ語地名の意味と、その地名が示していた位置を考え...
地名の由来

神恵内村の地名~祈石・竜神岬・トラセ・ラムネ泊~

美しき神恵内の地形絶景の宝庫・神恵内神恵内村のイメージと言えば、小さい頃にキャンプをした「青少年旅行村」と、「オスコイ!かもえない」がある所くらいなもので、あとは何もない印象があった。だが蓋を開いてみると溢れるほどの魅力に満ちている素晴らし...
地名の由来

余市の由来 ~本当にイヨチコタン(蛇の村)だったか~

歴史の街・余市旧下ヨイチ運上家余市の歴史は古い。”ヨイチ” の地名はヲタルナイよりもずっと前の時代から見える。小樽も歴史の街と言われるが、主に明治から戦前にかけての歴史を重視しているのに対し、余市は先史時代から江戸時代にかけての歴史を前面に...
特集

アイヌ語地名文法に関する覚書き

文法のはなし避けたい文法「文法」と聞いてワクワクする人はあまりいないだろう。できれば避けて通りたいと思うのが人の常である。かく言う自分も高校時代、英語のテストで赤点を取ったし、古文に至ってはほとんどゼロ点に近かった(現代文の物語読解は得意だ...
地名の由来

東小樽の熊碓と謎のクマウシ村 ~クマウシ地名考~

全道各地にある熊牛村魚干棚が多い処道内には熊牛くまうしと呼ばれる地名があちこちにある。ブルとベアといえば投資界隈で使われる用語だが、もちろんそれは関係なくて、熊や牛を飼っていたというわけでもない。kuma-us-iクマウシ「魚干棚が多い処」...
地名の由来

桃内の由来 ~モモナイ地名考~

桃内の紹介桃内村桃内桃内は小樽の塩谷と忍路の間にある小さな集落である。かつては忍路郡桃内村という1つの村を成していて、現在もほぼそのままの区画で住所に残されている。桃内の位置桃内の集落と桃岩岬国道五号で通過すると長い塩谷トンネルと忍路トンネ...
地名の由来

赤岩海岸の地名 ~ワタリシ地名考~

小樽の赤岩山小樽運河から北の方に目を向けると、赤岩山 が見える。いくつかの鉄塔が立つ小高い山で、小樽市民にとっては馴染みがある山だ。赤岩山/小樽運河より赤岩山と隣の下赤岩山には遊歩道、小樽海岸自然探勝路が整備されているので、片道30分ほどの...
地名の由来

軽川の由来 ~手稲の旧名~ トシリパオマナイ地名考

手稲の旧名・軽川手稲駅南口札幌市手稲区に「手稲駅」があるが、この駅はかつて「軽川駅」と呼ばれていた。明治13年に開駅して以来、手稲地区の中心的な位置づけとなり地域の発展を促してきた。同様に手稲駅周辺の手稲本町と前田地区は、昭和26年に手稲町...
備忘録

昭和35年の札幌バイパス計画の話

小樽と札幌を繋ぐ高速道路・札樽自動車道は、小樽から札幌手稲区までは概ね国道5号と並行して丘の上を走っているが、宮の沢の札幌西ICところで山地を離れ、札幌中心部を避けて大きく北に迂回しながら進んでいく。いわゆる「バイパス道路」である。北5条手...
地名の由来

朝里の地名の由来 ~アサリ地名解~

難解なる朝里の地名解朝里あさりは小樽市東部の最大の町で、国道沿いにはショッピングモールが立ち並び、山の奥には朝里川温泉やスキー場・ゴルフ場などのリゾート施設がある、賑やかなところである。かつては小樽郡朝里村という独立した村であった。また朝里...
地名の由来

手稲富丘・三樽別川の由来~サンタルベツ地名考~

手稲富丘と三樽別札幌の手稲富丘には、遠くからでも目立つKDDIの白い大鉄塔があるが、その近くで三樽別さんたるべつ川という川を渡る。あまり大きな川ではないが、国道沿いに河川標識があるので、なんとなく目にしたことがあるという人も多いだろう。三樽...
特集

アイヌ語地名解の年代区分

アイヌ語地名解の年代区分北海道のアイヌ語地名を日本語の意味に訳そうとする試みは、江戸時代から今にかけて繰り返し行われてきた。その上で重要となるのはどの年代のものかということである。古ければ古いほど、当時のアイヌの生の声を反映したものである可...
備忘録

勝納川の「白糸の滝」はどこにあるのか

過去記事:勝納川の雨乞滝と幻の滝 の続き幻の滝・白糸の滝勝納川には「穴滝」と「雨乞滝」という二つの滝があることが知られている。江戸時代の探検家・松浦武四郎が残した日誌には、「五丈ばかりの大滝」が勝納川の上流にあるという。だが穴滝も、雨乞滝も...
特集

星野丸山 ~消えた小樽最東端の低山~

消えた山「星野丸山」と聞いても、あまりピンとくる人は多くないかもしれない。少なくとも数年前までは誰も知らない山だった。登山家どころか地元の人ですら聞いたことがない。それもそのはず、山が消えてしまったのだ。決して比喩表現ではなく、物理的に消え...
備忘録

余市町歌越と神姿岩

余市にかつて「歌越うたこし」と呼ばれた村があった。既に地図からは消えてしまい、検索しても遠別町歌越のほうしか出てこず、あまり情報はない。先日このあたりを歩いてみたので、少し調べてみることにした。奇岩の宝庫・余市古平海岸余市の海とシリパ余市の...
地名の由来

厩町の由来 ~アシリパのコタン~

手宮の厩小樽市にある「厩うまや」という地名を聞いたことがあるだろうか。既に住所からは町名が消えてしまい、今は「手宮三丁目」となっている。かつては高島郡大字厩、のちの厩町であった。釣りが好きなら「厩町岸壁」と聞くとピンと来るかもしれない。毎日...
備忘録

勝納川の雨乞の滝と、幻の滝

勝納川の見どころといえばなんといっても最上流部にある「穴滝」である。奥沢水源地の浄水場のところから林道を遡ること4km、巨大な洞窟の中にその滝はある。その様相はまさに秘境といって相応しいもので、夏は涼しげに水を落とし、冬は見事な氷瀑を見せる...
地名の由来

勝納の由来~カツナイ地名考~

小樽五大難解地名小樽の町名になっているような代表的なアイヌ語地名は、たいていどれも何らかの議論があって、意味をこれだと断定できるものが少ない。その中でも特に難解とされているのが、蘭島らんしま・勝納かつない・朝里あさり・有幌ありほろ・於古発お...
備忘録

朝里川温泉の発祥年代と文治沢温泉ついて(備忘録)

小樽の奥座敷といえば朝里川温泉だが、一般には昭和29(1954)年に開湯したと言われる。これはいわゆる戦後にあたり、こうしてみると温泉街としては比較的歴史が浅いほうだと言えるかもしれない。だが「小樽・朝里のまちづくりの会」発行の『小樽・朝里...
特集

小樽のチャシコツ9選~アイヌの砦~

チャシコツとは?アイヌとチャシコツアイヌというのは実に不思議な民で、文字を持たないだけでなく、遺跡の類もほとんど残していない。北海道にも遺跡が多数存在するが、ストーンサークルや壁画(古代文字)、土偶といった印象的な遺跡はいずれも彼らより前の...
地名の由来

蘭島の地名の由来

蘭島とは海水浴場発祥の地・蘭島「蘭島(らんしま)」は小樽の一番西にある町である。かつては「忍路郡蘭島村」というひとつの村を成していた。余市との境界に位置し、その境目にはフゴッペ岬という海に突き出た陸がある。忍路半島とフゴッペ岬に囲まれて波の...
ギャラリー

蘭島の地名と風景

蘭島は海水浴場だけではない蘭島といえば何を思い浮かべるだろう。まず蘭島駅のある所。そしてやはり海水浴場。国道沿いにはセブンイレブンがあるので、余市方面に向かうときは寄ることなどもあるだろう。しかし夏に海水浴をするのでもない限りは、そのまま通...
データベース

小樽の町名の由来

小樽市に現在ある56の町名の由来について調べてみた。アイヌ語地名解については独自の解釈も加えつつ考察している。旧忍路郡塩谷村蘭島(らんしま)蘭島の由来はアイヌ語で〈ラオシマナイra'osma-nay「澄んでいる川」〉。ラオシマとは樺太方言で...
特集

東西蝦夷山川地理取調図の間違いリスト

幕末の蝦夷地を6度にわたって探検し、現地のアイヌから地名を聞き取り、『西蝦夷日誌』をはじめとした数々の紀行文を書き、『東西蝦夷山川地理取調図』を完成させた松浦武四郎。北海道の歴史研究において、彼の残した功績の大きさは、改めて論じるのも憚られ...
地名の由来

小樽の地名の由来 ― 本当にオタオルナイだったか

歴史の残る小樽の町小樽は運河と港の街である。小樽は札幌の隣にあり、明治から戦前にかけて商港として発展してきた。今はすっかり観光地となり、流通の港としての役割は石狩湾新港と新千歳空港に取って代わられてしまったが、昔ながらの石造り倉庫の街並みが...
地名の由来

星野・ほしみ・星置の地名の由来

星野とほしみ「星野ほしの」とは、小樽市の一番東にある住宅街で、札幌市との境界に位置している。「銭函」と「星置」の間にある集落である。小樽と札幌の境の町・星野町銭函と星置の間にあるのは「ほしみ」では?多くの人はこう感じるかもしれない。JRのほ...
地名の由来

銭函の地名の由来

面白地名・ゼニバコ旅行などに行ったときに「ゼニバコから来ました。」と言うと、結構な確率で面白がられる。それが文字通り「銭の箱」であると言うと、さらに食いついてくる。すかさず「どういう由来があるんですか?」と。ゼニバコは会話の取っ掛かりにでき...
データベース

小樽のアイヌ語地名解

蘭島フゴッペ和名:畚部ふごっぺ位置:余市町栄町/畚部川/畚部岬意味:【私案】hunki-o-petフンコペッ「砂丘の川」/【定説】hum-koi-peフㇺコイペ「浪音高き処」メモ:余市・小樽境。昔は川が境だったりフゴッペ洞窟の裏の丘が境だっ...